Prologue

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―――今日も、ポケモン広場に朝日が昇る。

 聞こえてくる、ポケモン達の喧騒。見慣れた日常の風景。その横を、今日も歩き過ぎていく。
私はルナ。この世界に生きる、1匹のミズゴロウよ。
 最近、自然災害が多発している。地震や火山の噴火、それに津波。怖いことばかり。
被害にあった多くのポケモンを助けるために、探検隊と呼ばれるポケモン達が活躍しているという話を何度も聞いているの。
探検隊というのは、ダンジョンを探検するポケモンのチームのこと。
もとは宝探しや未知の世界の冒険が目的だったんだけど、こんな時だから救助活動も重要な仕事になっているというわけ。
私も、災害に苦しんでるポケモン達を助けたい。困ってるポケモンを見ると、放っておけないもの。
けど、心のどこかで怖いと思ってしまう。私には勇気がない。力もない。最初の一歩をどうしても踏み出せない。
 そう思いながら、今日も小さな森の中を歩く。
朝の散歩は私の日課。なぜかはわからないけど、この森の中を歩いていると気分が落ち着くの。ここは、私の好きな場所。
……もしかしたら、このままだとこの森も消えてなくなっちゃうのかもしれない。
そんな日が間近に迫っているような気がして……すごく、怖い。
 ……あれ?あそこに誰か倒れてる?助けなきゃ!
このポケモンはピカチュウ?ねえ、大丈夫?





 プロローグ。ルナの一人称視点で書きました。パートナーから見れば、という感じに。本編は次のページから。

2008.01.03 wrote
2008.01.23 updated



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